ニューノーマルの時代
毎年秋に、幕張メッセで最先端技術の国際展示会「CEATEC(シーテック)が開かれます。昨年はオンライン形式で開催されました。その中には「ニューノーマル」をテーマにした専用コーナーも設置されていました。面白い技術もありますが、感染防止の「非接触技術」にやや偏っていたようです。そもそも「ニューノーマル」とはどういう意味でしょう?世の中に大きな影響を与える出来事が社会に変化をおこし、新しい常識や常態が生まれることを指します。「新常態」とも呼ばれます。
このニューノーマル、企業にとっては、今回の感染症不安で3度目だそうです。1度目→インターネットの本格的な普及(2000年代初頭)。2度目→CSRなどの企業責任追及(リーマンショック後の2009年以降)。今回3度目で、キーワードはDX推進(デジタルトランスフォーメーション)です。
ニューノーマルでは、変化に柔軟に対応し、チャンスに転換することが大切。これからの変化を考えてみましょう。①コミュニケーションの変化、②社会生活の変化、③働き方の変化、この3つが大きいと思います。まず仕事でも日常生活でもコミュニケーションは変わりますね。対面が減る。大勢での会食が減る。オンライン、SNSが今まで以上に広がる。用件だけの短時間コミュニケーションの連打になります。この状態でどうやって信頼関係を築いていくか、工夫が必要。ぼーっとしてると、気づいたら自分だけが浮いているかも。
次に社会生活。もう心理的にも3密には抵抗感が出来上がっています。これからもソーシャルディスタンスはある程度続く気がします。支払のキャッシュレスも常態化しそう。小銭のやりとりは衛生的にも減っていくでしょう。手洗い、マスクも続きますね。つまり社会生活的には「非接触」の時代に入ります。
そして働き方。テレワーク、ペーパーレス、脱ハンコ等は当然です。さらに採用の広域化が考えられる。在宅中心なら、必ずしも事業所近くに居住している必要はない。優秀な人材は、地球の裏側でも雇える。仕事の評価は結果を重視します。リモートだと、プロセスを丁寧に見るのは難しい。今後は従来以上に成果をシビアに求められます。さらに、変化対応の機動力、高速化が必要です。「計画→実行→改善」から、「仮説→実験→修正」へ。後者の方が変化にしなやかに対応できるし、圧倒的に速い。私たちも、DXを軸としたニューノーマルに、ついていかなければなりません。できれば前の方で・・・。