これからの教育、これからの仕事
今年、息子が就活でした。ご想像のとおり感染症の影響で大変厳しい就職環境です。まず採用人数が抑えられている。インターンシップ、グループディスカッション、面談は、そのほとんどをオンラインで実施。そんな中で頑張っているのが地方の学生です。従来は上京機会が限られていた地方学生がオンラインなので、東京所在企業に積極的にエントリーしています。息子いわく、エネルギッシュな人が多いとのこと。
さて週刊ダイアモンドで、「賢人100人に聞く日本の未来」という特集がありました。その中の中室牧子慶應大学教授の記事から。「オンライン教育が進むと大学教育のコストが下がり、アクセスできる人が増えるなどの利点がある」。場所や、座席数に関係なく参加できますからね。遠隔授業の良い面は感染症後も生かしていくべきです。一方でこんな研究結果もある。オンラインでは、もともと学力が高かった学生は生産性が高まり、学力が低かった学生はさらに成績が落ちる傾向がある。従って、大人数の授業はオンライン、少人数の授業
は対面で行うなど、ベストミックスを考える必要があると中室先生は言います。
感染症終焉後は、このような工夫が非常に重要になります。現在は感染防止が主な目的なので、「出社しないこと」に意味がある。しかしポスト感染症では、リモートのメリットと対面のメリットを組み合わせて最大の効果を生み出すことが求められます。これからの「新しい働き方改革」に向けて、出社と在宅のベストミックスを探索する必要がある。今後は、一律の出社制限(30%以内など)にはあまり意味はありません。業務特性や進行スケジュールなどを勘案したメリハリが必要になる。例えば全員出社の日、全員在宅の日があってもいい。会議によっては大人数でオンライン開催、必要があれば少人数で対面開催など、効果効率を考えて使い分ける。大学生同様、機械的に全てをオンラインにすると、成長格差が大きくなりすぎるかもしれません。
小中高校生は基本全員毎日登校です。社会人は大人。大人は、出社orオンラインを選択できる一方で、成果や成長は自己責任です。品質を上げる、効率を高める、新しい付加価値を生み出す。そのために、どういう働き方がベストなのか、しっかり考えていきたいですね。