魅力的なストーリー
「ヒーローズジャーニー」という言葉をご存知でしょうか。世界中の神話には、主人公たちがたどる道のりに多くの共通点があり、一つの成長ストーリー(プロセス)になっているというものです。ざっくり言うと、平和な日常→旅立ち→師との出会い→強敵の出現(敗北)→苦難の克服(勝利)→故郷への凱旋、こんな感じです。時代や地域を超えて共感され、多くの人を魅了するストーリーです。映画でもよく応用される。スターウォーズやハリー・ポッターもそうだとか。ビジネスシーンでも、効果的なプレゼン、人材育成などに活用されています。異動、メンター、プロジェクトなどの要素も関係しそうですね。
今、「あの演説はなぜ人を動かしたのか」(川上徹也著)という本を読んでいます。この本によると「ストーリーの黄金律」というものがあるらしいです。それは、①何かが欠落した主人公、②遠く険しい目標、③乗り越えなければならない数多くの障害、の3つです。この文脈で人々(聴衆)を魅了し、その後の成果につなげる。日本では、小泉純一郎、田中角栄、世界では、ケネディ、オバマなどの演説が例示されています。例えば、小泉純一郎なら、①自民党をぶっ壊すという変な人、②郵政民営化という高い目標、③内外の抵抗勢力。このストーリーに国民は熱狂し、小泉劇場となりました(小泉劇場を賞賛しているわけではありませんが)。「ヒーローズジャーニー」も「ストーリーの黄金律」も、「厳しい困難を乗り越えて、大きな目標を達成する」という流れが人々の心を捉えます。そして、それは自己成長、人材育成にもつながりそうです。