アンコンシャス・バイアス

新聞にアンコンシャス・バイアスについての記事が載っていました。「無意識の偏見」や「思い込み」の意味です。こういうことに注意を払う企業が多くなっています。女性や外国人など多様な人材の活躍、ビジネスの発展、組織の活性化につなげる狙いです。記事にはメルカリの社内研修の例が掲載されていました。採用や人事評価で効果が出ているようです。他にも、パナソニック、東京海上日動、味の素など、多くの企業で研修が行われています。

新聞には「身近なアンコンシャス・バイアスの例」が書いてありました。なるほどと思うものが多いですが、中には少し考えてしまうものもあります。「親が単身赴任中というと、父親を想像してしまう」。「体力的にハードそうな仕事を女性に頼むのはかわいそうだと思う」。「介護しながら働くのは難しいと思う」。「『ふつうは○○だ』『それって常識だ』と思うことがある」。このような考えを、私自身もしてしまうかもしれません。

アンコンシャス・バイアスは、偏見や思い込みが自分には気づかない形で、判断や行動に影響を与えるものです。自分でわかっていれば確認犯的な言動。ここでは「自分で気づいていない」という部分がポイントです。幼い頃からの経験や知識などから思い込みが生じて、物事の判断に影響を与えます。これは悪いことだけではありません。とっさの判断が可能となり、迅速な行動、生活や仕事の効率化につながります。また、この逆をついてチャンスを広げる人もいるでしょう(ふつうとは逆の発想で付加価値を付ける)。

豊富な経験や知識から自分の中で形式知化したものは、ある意味財産です。能力とも言える。正解がないものは、ざっくり仮説を立てて速く動く必要がある。経験則を上手に使います。事実を確認して機動的に修正する姿勢が大切。しかしこの仮説が、相手を傷つける偏見や思い込みになっては最悪です。自分では無意識に立場の弱い人を攻撃しているかもしれない。受け手も声をあげにくい。仮説と偏見の線引きをしっかりしたいです。しかし、「無意識」なので難しい。だから研修等が必要なのかもしれません。大事なことですね。

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