専門性の強化

NTTがグループ会社において新人事制度を導入します(2023年)。優秀な若手社員を早期に抜擢できる制度です。新卒が20代で管理職になれる(従来は最速30代半ば)。年齢や年次によらずに評価し、専門性の高い人材を多く育てる狙いです。NTTは管理職向けにジョブ型の人事制度をすでに導入しています。今後はさらに若年層の育成に力を入れる。通信業界は、AIやIoTなどの技術の重要性が増し、環境が大きく変化・進化しています。多様な専門家を擁する体制構築が急務だということです。

ジョブ型雇用とは、専門性を重視して、職務の内容に応じて処遇する制度です。専門性が高く、成果が出ていれば、昇進・昇格・昇給する。世界的にはこれがスタンダード。労働市場の流動化に対応しています。人材を専門性を軸にモジュール化して、転職・経験者採用をしやすくする。プロの業務委託に近い印象です。これに対してメンバーシップ型雇用とは、日本独特のスタイル。終身雇用、年功序列、新卒一括採用に適しています。一つの会社の中で様々な経験をしつつジェネラリストになっていく。会社が用意したシステムに乗って、異動転勤を繰り返しながら経験値・能力を高めていきます。

しかしご承知のとおり労働環境が激変しました。長時間労働削減を軸とした「新しい働き方改革」、感染症対策に端を発した「リモート化・DX推進」など。年功序列は崩れ、終身雇用も不安。副業解禁、転職市場活況。今まで通りにはいきません。NTTのようにメンバーシップ型雇用からジョブ型雇用に舵を切った会社も多い。会社軸のジェネラリストから、職種軸のスペシャリストへ。受動的なジョブローテーションから、主体的なキャリアデザインへ。終身雇用による安定から、実力主義による競争へ。どちらがよいかというよりは、環境変化が後押ししているようです。一つ言えることは、これからは「自分の強み」は何かをしっかり考えて、それを育てることが必須だということ。そう強く思います。

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