これからのキャリアデザイン
WEBニュースに、会社員の早期退職についてのアンケート結果が載っていました。全国の40代会社員約1000人への調査です。これによると、約5割が「退職後の生活を明確に据えた形で、退職を考えたことがある」と回答しています。この「退職後の生活を明確に据えた形」というのは、早期退職制度がポイントのようです。生活資金の確保、納得のいく退職金の額、モチベーションの改善が要件です。どうやら、現在の職場環境に問題を感じていて、退職後の生活資金が確保できれば、早期退職を検討する、というパターンです。そのために「早期退職優遇制度があればそれを活用したい」ということ。前向きなキャリアチェンジというよりは、やや受け身の印象ですが、これが現実でしょう。もちろん、積極的にステージアップしたい人が、この制度をきっかけ/チャンスに一歩を踏み出すケースもあると思います。
この調査では、早期退職制度の導入は15.2%で、その中での対象年齢は50~60歳が76%、40~50歳は22.7%でした。あぶらがのった時期(40代)の積極的転職・起業に制度を活用したくても、実際には使えないというのが現実のようです(使えるのは3~4%)。会社員は50歳くらいで出世競争には決着がつくでしょう。その後で、環境を変えてモチベーションを上げるために制度を使う人も多いと思います。
終身雇用や年功序列が終焉し、これからは自分のキャリアを自分でデザインする時代です。理想は、ビジョンを描いた上で、計画的にステージアップ、キャリアチェンジすること。「山登り」のパターンです。しかし社会環境の変化が激しい現在、なかなか理想どおりにはいきません。最近は「川下り」も注目されています。流れに逆らわず、その都度の分岐点で進路をしっかり考える。しかしただ流されてはだめ。とんでもないところに流れ着いてしまいます。目印やエンジンが重要です。そのためには、夢、出会い、自己成長を大切にしたい。あらためてそう感じました。