自己肯定力
昨今、なかなかスポーツ観戦はできませんが、一昨年はラグビーワールドカップの日本代表の快挙で盛り上がりましたね。私はラグビーは詳しくありませんが、この時はTVにかじりつきました。日本代表は、誰もが劣勢を予想した優勝候補のアイルランドに勝利。決して奇跡ではなく、実力的に上回っていたと感じました。その後も快進撃は続き、初のベスト8。試合をしながらどんどん強くなっていった印象です。アイルランド戦勝利後、堀江翔太選手は「絶対勝てるって、本気で信じてたのは僕らだけ」と語りました。すごい自己肯定力です。
ここからは脳科学のお話。文字どおり脳の科学です(心理学とは違う)。例えば右脳と左脳。以前読んだ本で「『右脳=感性/左脳=論理』に科学的根拠はない」ということを知って驚きました。血液型占いのようなものだとか。分離症患者さんに対する実験での無理な解釈が発端らしく、科学的には証明されていません。一方以下は科学的に解明されている脳の話。
脳が一番重視するのは「死なないこと」だそうです。これは人間も他の動物も同じ。だから変化を全力で阻止しようとします。今生きているならそれでいい。変化は死ぬリスクを高めるということです。じゃあ変革への挑戦なんて無理? いやいや、それでは進歩がありません。自己変革するために自分の脳を上手に騙すのです。勘違いさせるんです。「変わった方がいい。自分は変われる」と何度も何度も自分に伝える。頭の中で、時には声を出して自分に話す。それを何度も繰り返す。そのうち脳はその状態(変革後の姿)を、生きる上で必要なことだと認識(誤解)します。そうなると思考・行動が具体的に変わる。「どうせダメだ。無駄な努力だ」などのネガティブ発想が解消される。ラグビー日本代表はそれをチーム単位で「俺たちは絶対に世界トップレベルの相手に勝てる」と自己受発信し続けたのでしょう。
ん? 精神論も繰り返しイメージさせれば科学になるのかな(脳が騙される)? もしかしたら正しく使わないと危ない面もあるのかもしれません。まずは正しいゴール(あるべき姿)の設定が大切だということですね。自分で納得した目標を設定し、その実現の素晴らしさと可能性を繰り返し自分に語る。脳が現状延長とは違う新たな世界をポジティブにイメージできれば、自己肯定力が上がり、素敵な未来が待っている。そんな正のスパイラルをぜひ実現したいですね。