プロジェクトの時代

先日新聞に、住友生命保険新社長のインタビュー記事が載っていました。その中で、「職員教育に力を入れる。共に成長する「共育」が大事だ」という発言が印象的でした。社長は、「上司が部下に一方的に教える時代ではない。幹部には若い人のスキルや感性を学ぶように言っている」とコメントしています。社長就任(4月)とともに「人財共育本部」を発足させ、社長本人が本部長を務めている。この名称がすごいですね。社長の「強い思い」が感じられます。「生命保険事業は教育が経営課題そのものだ」という高い問題意識を持っています。

さらに「若い世代には、新しい仕事にどんどん挑戦してほしい」という考えも強い。社会課題に対応する機動的なチームを作り、そのトップに若手を登用できる制度も7月に立ち上げました。プロジェクトに集中し、課題を達成したら解散する仕組みです。すでに5人が任命され、今後も増える見込みとのこと。

「人材育成・若手の活躍が大切だ」という問題意識は、どの会社でも同じでしょう。しかし実際に具体的行動に移している点がいいですね。特に若手をプロジェクトマネジメントのリーダーに抜擢しているのがいい。階層別組織で、いきなり若手をベテランの上に配置するのは、現実的なデメリットの方が多い場合があります。しかし、短期集中目的のプロジェクトであれば、行動力のある若手の力が活きる。他のメンバーがそれを支える。いいですね。

経営環境激変で、将来が不透明な今の時代、企業はメンバーシップ型雇用からジョブ型雇用に舵を切り始めています。事業課題に対して、解決できる能力を有する多様なメンバーが、有期に集合してチームを結成する。そんなプロジェクト型の仕事には、ジョブ型がぴったりです。社内だけではなく社外の専門家が加わる場合もある。日常業務のしがらみから離れて、若手が力を発揮できるチャンスです。もちろん、それにふさわしい能力が必要で、やはり若手らしいDXリテラシーがマストでしょう。これからの仕事は間違いなくプロジェクトが多くなります。それも単なる横連携ではなく、一旦現行の仕事を離れる本格的な集中プロジェクト。オファーが来る人と来ない人の格差も大きくなるでしょう。キーワードはやはり「共育」なのかもしれません。私たち年配者も頑張りましょう。

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