課題発見と思い込む力
新聞の就活情報面に、山形県鶴岡市のまちづくり会社「ヤマガタデザイン」山中社長の記事が載っていて、「思い込む」ことの大切さを語っていました。ヤマガタデザインは、地元研究開発拠点の未利用地の開発(ホテルや児童館)、放課後児童クラブの運営、地域の仕事紹介、農業用ロボット開発など、地域に密着した幅広い事業を展開しています。
山中社長は大学卒業後、大手デベロッパーに就職し、大型商業施設の開発・運営を担当していました。開発用地を探して全国を回るうちに、地方の魅力や課題に関心が向き始めました。そして恩師の紹介で鶴岡市のベンチャー企業に転職。その後、地域課題を解決する会社「ヤマガタデザイン」を設立しました。まず、ほとんどが未利用の地元研究開発拠点の開発です。地元企業の出資募集、ホテル事業プランの作成、地権者との交渉、行政との開発協議、地銀との連携などなど。まわりに「絶対できない」と言われたので、闘志が沸き、「やってやろう」とスイッチが入ったそうです。自分が選んだ道を信じる。それが「思い込む力」です。山中さんは、その力で、東京から鶴岡市に妻子と移住し、事業を始めました。すごいですね。
山中さんは慶応大学アメフト部の中心選手でした。大手デベロッパーに就職して、数十億円単位のデカイ仕事をしていた。「ああ、典型的な体育会系ね。自分とは違うタイプだ」と思ってしまいますね。でも参考になる部分が多いです。行動力がすごいのはそのとおりですが、私は「課題発見力」が卓越していると思います。様々な事業を手掛けますが、すべて課題がしっかりしている。地元の悩み、住民のニーズ、行政の関心、あらゆる課題を的確に設定して、それを「思い込む力」を原動力にして、見事に解決している。どちらかだけでも、空回りだと思います。「課題発見」と「思い込む力」の両方があるから、周囲も協力し、お客様も集まる。地元のまちづくりが進むんですね。大いに参考にしたいと思いました。