90:90の法則

「20:80の法則」を知っていますか? パレートの法則とも言います。簡単に言うと「全体の2割の要素が8割の成果を生んでいる」ということ。例えば、2割の顧客や、2割の商品が、売り上げの8割を占めている、など。レストランのメニューで、利益の高い順にABC分析をし、上位2割の写真をでかくする。下位の料理は小さくする、またはのせない。こんなふうに活用されます。定石ですね。

では、「90:90の法則」って知っていますか? これ元々はコンピュータープログラミングでの格言的なもので、こんな意味です。「90%仕上げるのに90の力を使う。そして残り10%を仕上げるのにも同じく90の力が必要。結果180の時間がかかってしまう」。IT業界で自嘲的に使われています。さらにこれが派生して、次のような意味で使われています。「仕事の満点を100点とすると、0~90点、90~99点、99~100点にかかる時間は同じ」。これは理論ではなく、多くのビジネスパーソンがうなづく経験則で、かなり的を射ていると思います。ということは、100点にこだわると30時間かかることが、90点で割り切ると10時間で済むということ。これは考え方です。100点にこだわり、とことん完成度を追求する。芸術などはそうですね。満点は無理でも99点のクオリティで納品する。90点でもスピード重視でアウトプットし、フィードバックをもらって素早く修正する。置かれた状況にもよるでしょう。

10%の不足が致命的な危機につながることもある。私は、実際の日常業務では、90点で速く仕上げる姿勢が重要だと思います。早い段階での、リーダーや納品先への相談と言えるかもしれません。まさに高速PDCAです。ここで重要になってくるのが、優先順位。冒頭の「20:80の法則」です。「90点(と思い込んでいる)のアウトプットの中に、この重要な20が入っていなくてはならない」。どういうこと? 逆に言うと、「不足している10点の中に、本来優先順位の高い2割の要素が入っていると、ひどい結果になる」ということです。

以上を総合すると、「明日の100点より今日の90点。ただし優先事項は外さない」。このスタンスが非常に重要です。最後にパレートの法則を少しだけ補足。そもそもこれは効率化のための分析です。しかしICT技術が発達した現在、状況は変わりました。Amazonに代表されるロングテール戦略が脚光を浴びている。さて「90:90の法則」。細かい書式やレイアウト装飾をする前に、早い段階で骨子をリーダーに報連相したほうがいいかもしれませんね。

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