挑戦し続ける姿勢
プロ野球・横浜DeNAベイスターズの元球団社長池田純さんが、昨年バスケットボールB3「さいたまブロンコス」のオーナーに就任しました。その後、崩壊寸前だった経営を立て直し、本年退任しました。膨大な債務を解消し、構造改革に1年で成功したわけです。池田さんは、徹底した市場調査でベイスターズの観客動員数を大幅に増やした実績を持ちます。今回は、彼の出身母体である「DeNA」から学びを得たいと思います。
DeNAの創業は1999年で、できて20年ちょっとの会社です。設立者は南場智子さんで、現在も代表取締役会長。連結売上高1369億円、営業利益率16%、従業員数約2100人。主な事業はモバイルゲーム開発です(モバゲーなど)。象徴的存在が創業者の南場さん。横浜DeNAベイスターズのオーナーで、女性初の日本プロ野球オーナー会議議長でもあります。大学卒業後、マッキンゼーに入社し、ハーバードビジネススクールでMBA取得、34歳でマッキンゼー日本支社の役員に就任しています。そして36歳でDeNAを設立。頭がキレッキレで、マッキンゼー時代にはロジカルモンスターと言われていた。自分で「私は左脳しかないのよ」と言っている。
南場さんは目標達成にものすごくこだわります。ある講演会での発言。『「この人に任せたら絶対できるな。なんとかなるだろうな」という人と、「この人に任せたらたぶんできないな」って人と2パターンしかいないんだよね』。シビアそうですね。そして事業について語ります。『常に新しいことに挑戦し続ける永久ベンチャーを標榜しています。DeNAのDNAは挑戦魂。夢を実現するためのプラットフォームです』。DeNAは現会長の南場さんと現社長の守安さん(モバゲーの仕掛け人)が引っ張ってきた(守安さんもすごい人らしい)。そして冒頭の池田さんのように、多様で有能な人材を輩出しています。
この「挑戦し続ける永久ベンチャー」というスタンスをそのままマネすることは難しいですが、学びにしたい姿勢ですね。一方でこのDeNA、不祥事が多いことでも有名。ソーシャルゲームでの独占禁止法違反(グリーとの取引停止圧力)、ヘルスケアまとめサイトでの無責任記事(医療監修なし、著作権侵害)などなど。過去はコンプライアンスが弱く、やや自分本位な会社だったようです。挑戦するかしないかは、お客様には関係ない。これからのDeNAに期待です。そして私たちも「挑戦し続ける姿勢」から大いに学びを得たいですね。