「緊張」との上手な向き合い方
以前やっていたNHKEテレ「又吉直樹のヘウレーカ!」という番組で、「大舞台で実力を発揮できますか?」というテーマがありました。プレッシャーがかかる場面は誰にもあるもので、その時に緊張するのはあたり前。この緊張を、味方にするか、敵にするか、というお話でした。ゲストのお笑いコンビ「ゆにばーす」のつっこみの人が、異常に緊張して結果を出せないタイプで、とても面白かった。
私たちも、「いざ」という時に実力を発揮できないこと、よくありますね。大人数へのプレゼンで緊張してしくじり、頭が真っ白になってしまう。サッカーの大事な試合のPK、緊張して地面を蹴ってしまう。いくらでもあります。プロのピアニストがほとんど失敗しないのは、緊張と緩和を自己コントロールできるから、らしいです。日ごろから本番をイメージして練習している。それができるようになるらしい。だから直前まで力を抜いて、いざ本番で集中できる。
興味深いのが、「イップス」という現象。ゴルフのパットがよく例に出されます。一流のプロゴルファーがイップスになって、簡単な動作ができなくなるというお話。このイップス、以前は精神的な原因で起こると思われていた。つまり「メンタルが弱い」と考えられた。しかし最新の研究ではそうではないそうです(とこの番組の先生は言っていた)。過度に同じ動作を反復すると、筋肉・神経などになんらかの影響があり、筋肉硬化を引き起こしてしまうらしい。諸説あるようですが、ここで重要なのは「練習の多様性」。過度に反復するのではなく、様々な練習をバランスよく混ぜることが重要なんです。なるほど。以上を総合すると、「緊張と緩和のコントロール」と「多様性」が、緊張を味方につける鍵のようです。
これができている人は、適度な緊張感により、従来の自分を超える高いパフォーマンスを発揮できる。オリンピックで自己新を出せるような感じです。確かに自分を振り返っても、大舞台で最高の結果を出せた時と、考えられない失敗をしでかした時と、両方ありますね。集中できるか、雑念に支配されてしまうかの違いかな。「場数を踏む」ということも大きな要素だと思います。脳の反応分析でも、ベテランは脳の動きが一点に集中しており、経験の浅い人は、動きがバラバラに分散していました(番組より)。一般に「適度な緊張と緩和のバランスが成長をもたらす」と言います。誰でも、これから大舞台を経験することがあるでしょう。考えてみれば大変貴重な機会です。多様な準備をし、場数を踏み、緊張を味方にして、自分の成長につなげたいですね。