シナジーを創り出す
「7つの習慣」からの学び、後半です。今回は、対他者。その流れは、④WIN-WIN→⑤他者の理解→⑥シナジー創出、です。④「WIN-WINを目指す」というスタンスはわかりますね。他者は敵ではなく協力者。さらに、「WIN-WIN or NoDeal」という考え方も大切です。これは「双方にメリットのある解決策が見つからなければ、お互いの意見の違いを認めて、取引しないことに合意する」ということ。後々揉めたり、裏切ったりするよりはよっぽどいい。現実のビジネスでは難しいかもしれませんが、選択肢としては有りですね。
次に⑤他者理解で印象に残ったのは、「聞くレベル」。無視→聞くふりをする→選択的に聞く→注意して聞く→共感して傾聴する。ここで言う共感は傾聴テクニックではありません。相手の視点に立って、本気で理解しようとすること。診断なくして処方なし。まず理解に徹することが最重要です。
そして⑥シナジーですが、これは難しい。ちょっと私なりの解釈を記号にしてみます。A or B、A~C~B、A×B=C。順に多数決、妥協、シナジー。多数決は、1+1=1。妥協は、1+1=1.5。シナジーは、1×1=3。こんな感じかな。すいません、あくまで私のイメージです。「建設的な第3の案を創れ、付加価値を上げろ」ということです。わかっちゃいるけど、このシナジーは難しい。最近の経営者には「シナジーという名の幻想」という人すらいます。「多様な組織や人材がぶつかり合って、高次元の価値を創出する」。それは理想ですが、実際は、単にまとまらない、利権の綱引き、角の取れた妥協案、になってしまう。
そして最後、⑦第7の習慣が自己研鑽。斧の刃を研がないと木は切り倒せない。原則となる思考・行動を習慣化しつつ、学び続けることを忘れないようにしたい、そう思います。
ダイバーシティの解釈を間違えると、若いギャルと、中年のおっさんと、外国人の老人のチーム編成をしてしまう。摩擦コストが上がるだけで、効果的な付加価値は産まないですね(そうでもない?)。外からは見えない、多様な経験・能力・専門性があり、なおかつ建設的なシナジーを創出する強い意志が必要です。「いいね、いいね」の全肯定ではサークル活動、「ダメだ、ダメだ」の全否定では権力闘争。「中間を取って」では単なる妥協案。1×1を3にするのは並大抵のことではありません。残念ながら、「ではどうしたらよいの?」の答えは、本には記載されていません(心構えまで)。私は、建設的に話し合える鍵を握るのは「心理的安全性」だと思っています。恐れず本音を発言できる信頼関係、組織風土です。