空想力を鍛える

昨年、種子島宇宙センターから、アラブ首長国連邦(UAE)の火星探査機を載せたロケットが打ち上げられました。米中の探査機もそれぞれ火星に向かった。狙いは、生命の痕跡発見や、未来の火星生活に向けた技術の獲得。火星は今でこそ冷たく乾燥した不毛の地ですが、約40億年前には広大な液体の海が存在した可能性があり、生命がいたとの見方が強いのです。それがどうしてこうなっちゃったの? その謎の解明にも取り組んでいるらしい。日本も2024年に火星の衛星に探査機を送る計画があるそうです。

火星かぁ。SFっぽいですね。小説や映画ではだいたい火星人は怖く描かれて、人間と戦います。「宇宙戦争」、「マーズ・アタック」、「レッドプラネット」などなど。子どものころ見た図鑑(?)には、なぜかタコみたいな足がたくさんある火星人のイラストがあったな。それでは、空想力を働かせて、「火星移住計画」について考えてみましょう。まずは有人着陸ですが、これがとにかく大きな一歩です。火星探索は片道切符で、行ったら残りの人生をずっと火星で過ごすことになる! なぜか? 火星に着陸した人間を地球に戻そうとすれば、過酷な環境ゆえに超巨大な装置が必要になり、そのテクノロジーも工場もない。だから片道キップ。それでも「行きたい!」という人が数千人いるそうです。その理由は様々ですが、それぞれの人生観そのものです。

では、行ったら火星で生活できるの? 答えは「現時点ではなんとも言えない」です。可能かもしれないし、不可能かもしれない。鍵を握るのは大気。地球の0.7%と非常に薄いけど、火星にも大気はあるらしい。でも真空に近いので生身だと1分も生きられない。その他、水、食料、宇宙放射線など問題は山積みです。

でも、しかし、But、将来的には火星の環境改造ができるのではないかと予測されている。スペースX社CEOのイーロン・マスクは、火星到達と基地建設について語っています。彼は20年かかるが可能と言っている。一方NASAは火星の環境改造の実現性を肯定していません。なかなか興味深い議論ですね。この手の話は「その前に地球環境をどうにかしろ!」となりがちですが、空想力を鍛えて考え続けることが進歩につながります。だから米国も、中国も、UAEも、そして日本も具体的に動いている。動きながら、仮説を立て、検証して、修正する。我々にも「大きくジャンプする発想」が必要だ、そんな時代ですね。

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