正しいPDCA
私は前の職場で、よくメンバーにこんな問いかけをしていました。「〇〇さんは年間の重点課題を設定していますね。今年も半分が過ぎますが、課題に対するPDCAは実践できていますか?」。この問いに対する回答は様々です。「Pができた段階です」、「Dの途中です」、「C・Aが出来ていません」、「リーダーと一緒になんとか出来ています」、「すいません。よくわかっていません」・・・などなど。みんな苦労しながらも、少しでも前進しようと努力しています。一方で気になるのが、PDCAの理解が浅い、勘違いしているケースです。
PDCAは業務の原動力(エンジン)です。組織貢献はもちろん、自分自身の成長に必ずつながります。貢献実感と成長実感が高まる。今回は、「正しいPDCA」を考えたいと思います。PDCAは、Plan、Do、Check、Actionです。日本語だと、計画、実行、評価、改善。これ新卒新人研修で習います。あまりにも基礎なので、「ああ、そんなの知ってるよ」と軽視しがちです。しかし企業競争力の差はこの中身で決まると言っても過言ではありません。特に創業者(起業家)や、フリーランスのPDCAはすごい。CとAが半端ない。なけなしの投資(お金・時間)の結果を、成功でも失敗でも、必ず次につなげます。
「正しいPDCA」を説明します。一言で言うと、「課題を正しく設定し、やりっぱなしにしない」。これです。まず①正しい課題を設定する。抽象度が高いのはNG。具体的に解決後の姿が明示できなければなりません。だから例えば「担当業務の効率化」だけではダメ。次に②課題解決プランを策定する。役割分担や業務スケジュール(カレンダー)と勘違いしている人がいます。そうではなくて「作戦(仮説)」です。③To Doリストを一つ一つ具体的に実行する。そして実施の有無を確認する。④効果測定をする。原因を分析する。実施の有無じゃない!(それはDo) この④が最大のポイントです。そして⑤修正する。To Doリストを書き換えるんです。このサイクルをリーダーがメンバーと並走すると「OJT」になる(引継ぎとは別)。全てが有機的につながります。これが「正しいPDCA」(原動力=エンジン)です。
最近は、先行きが不透明で、事業環境も激変しています。PDCAサイクルもどんどん小さく、速くなっている。今や、高速PDCAは「課題→仮説→実験→評価→修正」という流れ。大中小の輪を同時に回す時代です。「正しいPDCA」を理解して、仕事を、成果・貢献・成長につなげたいですね。