メラビアンの法則

感染防止のため、今年の新卒採用面接は、多くの企業がオンラインで実施しています。就活生の皆さんは本当に大変です。ところで、Googleの人事責任者が「面接は時間の無駄だ。面接官は、最初の10秒で志願者に対して抱いた印象を、残り99%の時間を費やして確認している」という考えを示しました。えー、10秒? これは海外の大学も研究成果として発表しています。日本の採用担当者100名にアンケート調査をしたら、なんと「1分以内に合否を判断する」と回答した人が7割にも達しました。うーん、第一印象で直感的に判断してるんだな。面接では、身だしなみ、清潔感、姿勢、声の大きさ、話し方が重要なんですね。それが必要条件。ただし、これらの要素は基本的にクリアしている場合が多いので、中身の勝負になるのが実際です。でも、中には会った瞬間に「あれ?」と思うような人がいるのも事実。もったいないですね。

これに関連して「メラビアンの法則」というものがあります。人に与える印象を形成する情報は、3つに分類される。①視覚情報、②聴覚情報、③言語情報。その影響度は、①55%、②38%、③7%。つまり視覚と聴覚の情報で9割の印象を決定し、話の内容を大きく上回るということです。しかし、「話の内容よりも、見た目や第一印象のほうが大事」というのは誤解(拡大解釈)です。「感情を伝えるコミュニケーション」という限定的な状況での実験結果であり、あくまで感情の伝わり方のようです。しかし面接のような短時間の場合は、かなり影響してしまうものです。「この人、エネルギッシュだな」、「誠実そうだな」、「やる気なさそうだな」などの印象が出来上がってしまう。

視覚情報(見た目)はちゃんとしているという前提で、聴覚情報について取り上げてみます。私は人事部門にいたとき、プレゼンのテクニックについても少し勉強しました(動作・話し方の知識)。よくあるのは、顔を上げる、ジクザグに視線を合わす、適度に手を動かす、適度に笑顔を見せる、ポインターは動かさない、など。で、話し方は、「大きな声で明瞭に」って感じですね。でも秘密(?)をひとつ教えます。声が低い方がいいそうです。聞き取りやすく、信頼感・説得力が増すらしい。ただし小さかったり、暗かったりしてはダメ。なんとなくうなづけます。実際、男性アナウンサー(女性も?)のほとんどはやや低音です。

いずれにせよ、ビジネスでは第一印象がとても大切。「中身で勝負だ!」と、メラビアンの法則を軽視するともったいないので、適度に意識して自分を上手に表現したいですね。

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