リスク感度

『チャンス&リスク感度』は仕事の基本です。まず、気づく力が必要。チャンス感度は「変革への挑戦」につながりますが、今回はリスク感度についてお話します。過去、私はこの「リスク感度」が低かったために何度も大きなミスをしています。その影響がお客様に直結して深刻な状況に陥ったものもありました。今思うと、多くは事前に「小さな違和感」を感じていました。にもかかわらずリスク感度が低かったために、ミスを防げなかったのです。

今多くの会社では4M変動を重視しています。4Mとは生産部門での、Man(人)、Machine(機械)、Material(材料)、Method(方法)のこと。営業・事務部門では、人、システム、情報、方法などと読み替えます。これが変化するときにリスクが顕在化しやすい。リスクは「不確実性」と定義する場合もありますが、ここでは「危険」の意味とします。非定型案件はミスやトラブルが発生しやすい上に、個別に状況が異なるためマニュアル化が極めて難しい。4M変動への対応で大事なのは、①個々人のリスク感度、②典型チェックリスト、③検算・見直し体制、④ベテラン経験者、⑤客観的視点、⑥稼働テスト、などなど。そして最も基本的で、最も難しいのが「リスク感度を上げる」ことです。いったいどうしたらよいのでしょうか?

監査部門では、リスクマネジメントの基本は「事前のリスク識別」と言われています。これは感度というよりも、網羅的にとにかく想定できるリスクを出し切ること。感度には頼らず「力づく」でリスト化するというものです。「火災のリスクがある」と識別さえできれば、「防火仕様にする。消火器を置く。火災保険に入る」など対処できます。確かにそうですが、すべてを力わざで対策するのは無理です。やはり日常から感度を上げたい。

そこで参考になるのが工場の安全管理です。いわゆる危険予知というもので、指差呼称、ヒヤリハット共有、KYトレーニングなど。これは「ハインリッヒの法則」がベースになっています。1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在するという法則。だからヒヤリハットへの対処が重要という考え方で、工場に配属された新人は最初に叩き込まれます。日常的にKYトレーニングを実施し、実際の4M変動に際しては『鍛えた感度』で事前に多くの重要リスクを想像します。例えば訓練していない人が5個しか出せないリスクを、訓練した人は20個出せる。日常的にリスク感度を上げて、仕事の質を上げていきましょう。そして生活の場でも「戸締りヨシ!」といきましょう!

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です