カイゼン

多くの企業が改善(カイゼン)風土の醸成に取り組んでいると思います。一昔前はQC活動など生産現場での小集団活動が活発で、それが改善につながっていました。現在は個人レベルまで浸透してきましたね。企業でカイゼンと言えばトヨタを思い浮かべます。基本理念「トヨタウェイ」には「知恵と改善」「人間性尊重」が2本柱として明記されています。トヨタの改善(カイゼン)は、元々生産現場の無駄な作業や動作などを省くこと、つまりムダムリムラの排除による効率化だったようです。現在ではカイゼンに付加価値創造も含んでいると思いますが、原点は問題解決だということです。私は懇意にしているトヨタの方がいないのでよくわかりませんが、外部研修会社の人などに聞くと、「トヨタの人は本当に思考が深い」、「なぜ、なぜ、なぜがハンパない」らしいです。また、トヨタでは常に標準(あるべき姿)が進化しているので、カイゼンネタに困りません。つまり「カイゼンに終わりはない」ということです。果てしないカイゼンへの挑戦が続く!

また世界的に有名なのはGE(米国:ゼネラル・エレクトリック)のシックスシグマです。これは主にデータに基づく業務品質の改善で、業務エラーを極小化しようというもの。定義→測定→分析→改善→管理、というプロセスをとります。このプロセスの達人はブラックベルト(黒帯)と呼ばれるそうです。

さてカイゼンの方向性としては、①業務の効率化、②ミスの削減、③ユーザーの価値向上、などが思いつきます。さらにPDCA「C(評価・分析)→A(修正)」もカイゼンそのものだし、日常のちょっとした創意工夫も立派なカイゼンです。カイゼンのネタは適度な粒感であることが重要(小さくてもよい。大きすぎないこと)。「業績向上」など抽象的なものをネタにすると大きすぎて思考停止してしまいます。さらに分解(小分け)していくと段々リアルなネタが見えてきます。

そしてカイゼンにとって重要なのは気づく力です。日々の小さな「なぜ?」を大切にする。そこから広げ、深掘る。まず、チャンスとリスクに対する感度を上げることが大事です。後から振り返ると、「あの時がチャンスだった」、「ちょっとまずいかなと思ったけど・・・」ということがあります。時間を決めた小集団活動でなくても、少しでも気になることがあったら、すぐ仲間に相談する。自分で動く。この姿勢が大切だと思います。

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