雇用について考える
感染症拡大の影響で、雇用保険の財政が悪化しています。失業手当の支出もありますが、特に雇用調整助成金(休業手当の一部を助成)の支給額が一昨年以来5兆円を超え、保険財政を圧迫しています。厚労省の労働政策審議会は、賃金の0.9%の保険料率(労使計)を来年度中に1.35%まで引き上げるよう求めています。国庫負担率の上昇も論点になっている。建設的な議論が必要ですね。
私も昨年ハローワークに行く機会がありましたが、今まで雇用保険についてよく知りませんでした。失業手当が有名ですが、再就職手当や教育訓練など、様々なサポートが用意されています。保険料は企業と労働者が折半で負担するので、双方が効果的に積極活用すべきです。特に労働者は、保険料が給与控除なのでよく知らないし、自分から知ろうともしないという人が多いのではないでしょうか。一方、失業手当などは不正が多い制度でもあるので、行政側も慎重です。実は働いていて収入があるのではないか、就職活動をしていないのではないか、などを細かく確認します。「制度がよくわからないし、面倒くさそう」という印象がありますが、ぜひ有効に利用してほしいと思います。現在の不透明な社会・経済環境から、雇用のあり方も変化しそうです。終身雇用が限界をむかえ、労働市場は流動化しています。企業も、新卒一括採用を基本としたメンバーシップ型雇用から、専門性の高い人材を中途採用するジョブ型雇用に舵を切るケースが増えている。社会情勢、国の制度をよく理解して、自分のキャリアを戦略的にデザインしたいですね。