リーダーの条件
立憲民主党代表選の候補者が、泉・逢坂・西村・小川の4氏で固まりましたね。推薦人20人の確保にかなり紆余曲折があったようです。立憲民主党の中にも様々なグループ(派閥?)があって、調整に時間がかかりました。元々保守とリベラルが合体したような感じでしたからね。それでも今までは枝野さんの象徴性で、反自民を前面に押し出して(共産党とも接近して)党のブランディングを推し進めてきた。今回の代表戦は混戦必至で、1回目で過半数に到達せず、決選投票になる可能性が高いと言われています。支援グループの勢力が分散していて、国民にも4氏の知名度は高いと言えません。微妙な代表戦です。
政党というのはどうしてもグループが分かれるんですね。政治は特別なんでしょうか。一般に「閥」というと、いい印象はありません。財閥、学閥、人閥、派閥・・・。でも政党の派閥はなんとなく容認されている。結局、数の論理で物事が決まっていきます。企業ではどうでしょう? 中小企業は創業者=社長、その後承継(世襲)というパターンです。非公開の譲渡制限付株式ですからそうなります。では上場の大手企業ではどうでしょう。現行社長が後任を指名して、取締役会で決定というパターンです。最近は指名委員会が指名というパターンもありますが、社外役員は人物を熟知していないので限界があります。結局、世の中、数の論理や前任者指名という形でトップリーダーが決まっています。それが現実です。
その現実の中でも、「リーダーの資質」をよく考えてほしいです。リーダーの役割は、①組織を束ねる、②方向を指し示す、③先頭で引っ張る、この3つだと思います。この能力が高い人物が「リーダーの資質あり」となるわけです。そしてこの3つを一言で要約すると「影響力」。人事の世界では、リーダーシップ=影響力と定義します。数を集めることや前任者の信頼を得ることも影響力の一つです。それが組織全体にも力が及べば問題ありません。しかしねじれると厄介です。大きな組織でも、小さな組織でも、リーダーには3つの資質をもって、正統な影響力を発揮してほしいと思います。