本の豊かさ
読書週間を前に、新聞に読書についての全国世論調査結果が載っていました。「本を読むことは人生を豊かにしてくれる」という回答が88%を占めた、と大きく取り上げられていましたが、それはそうでしょう。「豊かにしない」と回答する人は少ないと思います。私が驚いたのは、「この1か月に読んだ本(紙+電子)は0冊」と答えた人が半数もいること。国民の半数、すごい比率です。世の中の人は本を読まないんですね。私は週に1冊は本を読むので、この結果には驚きました。忙しいというのもあるでしょうが、30日間0冊というのはすごい。面倒なのでしょうか?本を読む習慣がないのでしょう。もったいない。
読書の目的を見ると、「趣味・娯楽のため」が62%でトップ。教養31%、生活22%、仕事12%、勉強11%、話題9%と続きます。過去と比較すると、実利目的が減っているようです。これは、スマホなど情報入手する手段が多様化していることが原因だと思われます。自然な流れですね。「好きな作家・著者」ランキングの1位は東野圭吾で、7年連続のトップ。東野さんも大作家になりましたね。私はミステリー小説が好きなので、彼の初期の作品はよく読みました。「眠りの森」などの推理モノです。そのころはかなりマイナーな印象でしたが、「秘密」という作品をきっかけに大ブレイク。私は「白夜行」、「容疑者Xの献身」あたりまでで、それ以降はあまり読んでいません。本格推理小説から社会派小説に作風が変化することで、多くの人の支持を得たようです。世の中の社会的な動きと連動したストーリーに読者の関心が高いことがうかがえます。これからますますそうなりそうですね。
本との出会いは貴重です。学びも経験も本を通してできる。実体験が理想ですが、当然限界がある。本を通じて、様々な人の体験や物語を自分に投影できる。共感、発見、疑問、喜怒哀楽・・・。私は、世の中の成功者で「本を全く読まない」という人を聞いたことがありません。実体験では追いつかない多くのことを本から得ているようです。これからも本を読んでいこうとあらためて思いました。