人材育成の考え方
プロ野球日本ハムの栗山監督が、今季限りで退任します。関連記事を読みました。栗山監督は、斎藤佑樹、大谷翔平、清宮幸太郎など、多くの高校野球のスターたちを育ててきました。ドラフト1位選手は世間の注目も大きい。結果が出なければ批判もある。そんな選手たちを栗山監督は、早い時期から1軍で起用してきました。大谷は大活躍、齋藤は2年目で開幕投手に起用するもその後低迷、清宮は3年連続7本塁打も今季は1軍昇格なし。対照的なのは、ヤクルトの村上で、1年目の1軍出場は6試合のみ、2軍で活躍し、2年目に開花しました。栗山監督の人材育成論を見てみましょう。
「省けるものは省く。出来ていることに時間をかけるのではなく、1軍の方が大きなことが出来る」。栗山監督はそう語っています。「若手は2軍で経験を積ませてから」という常識を覆そうとしてきました。大谷は大成功です。その一方で当然伸び悩む選手もいて、「その半分は自分の責任」と批判を受け止めています。でもぶれない。「なんとなく無難に、まわりに文句を言われないようにやるなんて、プロ野球じゃない」と言います。プロとしての意識が強い。これが正解かはわかりませんが、一貫した姿勢はいいですね。
仕事にも参考になるでしょうか。一般会社員もプロです。上司は部下の育成責任がある。一人一人の能力の総和、掛け算がチーム・組織の力です。自分の下に新卒新入社員が入ってきたら、どう育成しますか。相当期間を先輩の弟子にして、主担当を持たせず修行させる。すぐに主担当を持たせて前線に出す。多くは、全社横並びの方針に従う、あるいは個々人のキャラクターや適性を考慮してケースバイケース、という感じではないでしょうか。しかし、栗山監督のように「人材育成の方針」を持つことも大切だなと感じました。基礎、修行、実戦はどれも大切なので、択一ではないでしょう。しかしウエイトづけの方針には、リーダー(上司)のポリシーが必要ですね。