文武両道
昨日、東京六大学野球で、東大が立教に勝ちましたね。しかも0-3から逆転して7-4での勝利です。しかし、あまり話題にはなっていない。春も法政に2-0で勝ってますからね。普通に1シーズンで1勝くらいはできるようになってきました。他チームは東大に負けるとダメージが大きいので、全く油断できない状況です。今の東大には以前の宮台(現ヤクルト)のような大黒柱はいません。地道な練習と全員野球でレベルアップしています。監督の井出さんは、中日の選手・コーチ・二軍監督・球団代表を歴任しました。御年77歳。野球界の重鎮ですが、「東大で指導したい」という想いがあり、2016年に学生野球資格を回復していました。厳しい世界を根っこから知るプロフェッショナルです。ちなみに、プロ現役時代から、相手投手の癖を見破る特技が光っていたそうです。
私は六大学野球が好きで、毎シーズン1回は観に行きます。今シーズンも行きました。過去、東大の勝利も現場で5回くらい見ています。現在の東大で、井出監督の采配に奇策はありません。就任1年目の昨年は1勝もできなかった。春の初勝利では「うれしいです」とニコリ笑ったそうです。ヒーロー不在の中でもしっかりチームつくっている印象。プロで揉まれた実績・経験が、チームに「やれる」という自己肯定感をもたらしていると想像します。
よく文武両道と言いますが、よく見ると文武別道になっている場合が多い。分業ですね。高校野球でも、甲子園に出ている強豪校は進学実績がよいです。スポーツクラスと難関校進学クラスが分かれている場合も多い。そんな中でたまに文武両道の学校が頑張っている。どうしても応援してしまいます。今の時代、「選択と集中」、「個性を磨く」、「専門性の強化」など、ジェネラリストからスペシャリストへの流れが加速しています。しかし文武両道も立派な個性だと思います。あたりまえですね。そんな人は本当に輝いている。社会に出て活躍している人の多くは、程度の差こそあれ「文武両道」です。そしてそれは、「勉強とスポーツ」という枠を超えて「思考と行動」という文武両道に進化している、そんな気がします。