ビジネスパーソンの実務に役立つ検定
一般の会社員が「ビジネスの基本」を学ぶのは意外に難しいものです。会社が準備する研修の多くは階層別の意識付けがメインなので、スキルの習得には至らない場合が多いです。OJTも体系的な学びにはつながりにくい。ビジネスの基本と言えば、ビジネスマナーやパソコンスキルなどが基礎の基礎です。しかしその後に鍛えたいリテラシーがある。「お金」と「人」です。これらは日常業務の中で自然と学べる部分もありますが、どうしても断片的になるので体系的な勉強が必要になります。そこで役立つのが商工会議所の検定です。
私も仕事をしながら様々な壁にあたり、その都度勉強をしてきました。そのとき活用したのが商工会議所の検定です。実際に挑戦したのは、ビジネス会計検定(大阪)、ビジネスマネジャー検定(東京)、メンタルヘルスマネジメント検定(大阪)、カラーコーディネーター検定(東京)。商工会議所にはこの他にも、簿記検定、ビジネス実務法務検定、販売士など、役に立つ検定がたくさんあります。これらの中で、「お金」に対応するのがビジネス会計検定、「人」に対応するのがビジネスマネジャー検定です。
一般の会社員がお金と人を勉強する場合は、この二つ検定がお薦めです。専門性の高い部署なら、例えば経理部は簿記1級、人事部は社労士などの資格を目指すべきですが、多くのビジネスパーソンはこちらの検定で十分だと思います。
まずお金。ビジネス会計検定で財務会計を体系的に学習できます。この「体系的」というのが重要。書店で会計のビジネス本を買って読んでも、なかなか定着しません。それは体系的ではないからです。一般社員は経理部のように決算書を自分でつくるわけではないので、出来上がった決算書を理解して「読める」ようになりたい。ざっくりと「順調な会社と苦しい会社の判別」ができる。簡単な経営分析ができる。多くの人がかかえている会計に対する苦手意識が嘘のように払拭され、自信がつきますよ。
そして人。ビジネスマネジャー検定で、人を中心にチームビルディング、部下の育成、コミュニケーション、さらには戦略策定やリスクマネジメントまでを体系的に学べます。こちらはテキストが特に秀逸なので、これをもとに実際の職場で実践してみることが重要です。
役立つ資格をご紹介しましたが、検定はステイタスにはなりません。合格を人にアピールしてもほぼ効果はない。自分が苦手なことを克服するために、自分の成長のために取り組む。その意識があれば、きっと効果がありますよ。お薦めです!