大学での勉強の効果
WEBニュースに興味深い記事が掲載されていました。PROGという全国501の大学・短大で採用されている、大学生のジェネリックスキルを計るテストがあるそうです。その結果が載っていました。「大学の勉強なんて社会に出てから役に立たない」とよく言われますが、はたしてどうなのか? 結論としては、「そんなことはない。十分役に立つ」ということです。コミュニケーションスキルや問題解決力など(コンピテンシー)のスコアの高低が、社会人になった後の仕事に対する自己評価に直接影響があることが証明できたそうです。これは大学側の努力の成果でもあります。最近は教養・専門教育だけでなく、コンピテンシーに該当する実践教育(DPと言われる)をカリキュラムに組み込んできました。
授業で自分から発言したり、他の学生と議論したり、自主的な学習会に参加する。こういった主体的な学習経験がコンピテンシーを伸ばす。大学はアクティブラーニングなどを積極的に取り入れています。だから企業側も、採用において「大学の成績と仕事のできる・できないは別物」という考えを改めなければなりません。また、教養・専門教育は仕事の役に立たないかというと、そんなことはありません。間接的に役に立つ。論理的思考力を高めたり、主体的・継続的な学習習慣につながる。そもそもリベラルアーツなどは、学生時代に学ばないと、その余裕はなくなります。大切なのは、主体性・対人関係力・問題解決力だと思います。これを社会に出る前、大学時代に鍛えたい。昔から「大学時代はモラトリアム(助走)期間」などと言われていました。有意義な時期にも、無駄な時期にもなる。本人次第。この貴重で、贅沢な時を大切に使いたいですね。