青春期の成長課題
先日、6年単位の成長が大切だと書きました。6年×10回で60歳です。この中で、第4期は19~24歳。大学進学した場合は、大学生の時期にほぼあてはまります。ここでは青春期と呼ぶことにします。私が大学生だったころ(30年以上前)は、「大学は社会に出るまでのモラトリアム(猶予)期間だ」なんて言われていました。だらだらと時間を過ごすノンポリ学生が多かった。現在は、自分磨きや就職準備の意識が高い学生も増えているようです。しかし、「今自分は何をすべきか」を探しているうちに時がたってしまうケースも多い。青春期の成長課題は、「主体性の強化=自分で考えて動く」です。この時期、周囲に流されず、自分で流れをつくることは本当に難しい。学問、仲間(友人)、バイト、旅、就活、恋愛・・・。
そんな動きに、現在の感染症不安がブレーキをかけています。特に授業のオンライン化や学校施設の使用制限が問題になっている。感染防止が最優先なので仕方ないですが、この時期に本当に「もったいない」です。本来、大学設置基準では、卒業に必要な124単位のうち60単位を上限に遠隔授業を認めています。ただし非常時は上限をなくす特例措置を設けており、今はそれが適用されています。現在は感染症が落ち着きつつあるので、徐々に対面授業が再開されていますが、依然として多くはオンラインのままです。「出会いも刺激も少ないまま、大学生活の半分が過ぎる」とため息をつく学生も多い。かわいそう。
大学は、中学高校のようには学校に縛られず、自分ですべきことを考え、動き、コミュニティを切り開きます。それが社会人になる前の貴重な経験、訓練、学びになる。そういう意味では昔も今もモラトリアム期間なのかもしれません。しかしとても大切な期間です。そしてとても贅沢な時間。ここでしっかり助走をつけて社会に飛び出して欲しい。現在、その環境は逆風ですが、少しずつ機会が広がっていくと思います。大学生の皆さん、ぜひ前向きに、残された青春期を輝いたものにしてください。