大学入試に見る世情

導入2年目の大学入学共通テストが近づいてきました。傾向として文系志望が復活しているそうです。「文低理高」が緩和され、本来の姿に戻りつつあるとのこと。模試の志望状況では、法・経済・経営・商が増加に転じています。法は公務員志向の現れ、経済・経営・商は感染症沈静化に伴う経済復活の見通しが効いているようです。感染症の影響が長引いているのが、外国語・国際関係。海外留学できずにカリキュラムの目処がたたず、学費が高いこともあり、志望減が続いています。理系にあまり変化はなく、その中では薬の人気が高い。昨今の状況で創薬が注目されているからでしょう。そして、文理の狭間にあるデータサイエンスに志望が集まっています。DX推進の流れを如実に反映しています。これからますますITの時代ですね。

せっかくなので大学別も少し。前回入試で入試改革を行った早稲田と青学は、志望者が大きく減りましたが、今回はその反動で増えています。中央は法学部を23年に都心に移転するので、先取り人気で大幅増。上智は外国語のイメージが強いのか志望者減。一方国公立大学は強気の志望が目立ちます(昨年が弱気すぎた?)。特に東工大、一橋が増加。いろいろ変化がある中で特徴的なのは早稲田大学政経学部です。入試改革で数学1Aを導入し、英語を独自問題で難しくした。結果、志望者が大きく減り、同時に受験者の資質も変化しました。慶應とのダブル合格でも早稲田政経選択者が大きく増えています。

共通テストは2年目になりますが、初年度は易しすぎた。手探りの実施だったのでしょう。1990年にセンター試験を導入した時も、2年目は平均点が下がっている。今回(第2回)も難しくなると予想されています。受験生は大変だ。上記のとおり世情を反映して、大学の志望状況も変動します。自分の進路、将来のキャリアを高校生のうちに選択する。社会環境の混乱、新制度の導入と、判断が難しい状況です。慎重によく考えて、でも夢をあきらめず、自分の将来のビジョンを描いて、ぜひ前向きに挑戦していただきたいです。頑張れ受験生。

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