リーダー像の変化
新聞に現代のリーダーシップについての記事が載っており、興味深く読みました。理想のリーダー像は、時代によって激しく変わっている。研究者によると、①指示型から支援型へ、②垂直目線から水平目線へ、③クリティカル(批判)から温容へ、の三つに特徴づけられるそうです。上から目線で指示を出すリーダーは、今や求められていない。相手に共感し、背中を押してくれるリーダーが理想視されているようです。高度成長期は、自分を引っ張ってくれるリーダーを人々は求めていた。21世紀は自らが内面の問題を解決し、リーダーはそれをサポートしてほしいという願望がある。「リーダーシップのないリーダーが求められている」という意見もあります。停滞、閉塞感、不透明な時代、現状批判して変革を訴えても、心に響かないということです。
新入社員が挙げる「理想の上司」という調査があります(産業能率大学総合研究所)。2000年前後の上位は、プロ野球監督の星野仙一さん、映画監督の北野武さんなど、厳しめのタイプが多い。2010年代は徐々に親しみやすいタイプに変化しています。直近の1位は、内村光良さん(18~20)、ムロツヨシさん(21)。確かに距離が近い印象です。岸田首相も優しい感じがします。一方で警告する意見もある。「周囲が推すリーダーは権力に対して淡泊で、責任を回避することもある。危機の時代に難局を指導するためには、権勢欲の強い人が必要な場合もある」という考えです。
リーダーシップ論は世界的に変遷しています。PM理論のように、目標達成重視(P:パフォーマンス)と集団維持重視(M:メンテナンス)のバランスを重視するもの。チェンジリーダーシップ(ジョン・コッターなどの変革のリーダーシップ)。サーバントリーダーシップ(支援型のリーダーシップ)。世の中の人々はサーバントリーダーシップを求めているようです。受け手の個々人としてはそうでしょうね。わかります。しかし組織の発展を考えると、目標達成にこだわる強いリーダーも必要です。業績重視は短期、人間重視は長期。結局古典的なPM理論に戻るような気もします。常に揺れ動く、リーダーシップ、人材マネジメント、結論がなくてすいません。