意思決定の覚悟
衆議院選挙の結果、立憲民主党が惨敗して、110→96に議席を減らしました。元々の予想は最大150くらいで、議席増は確実でした。メディアの予想も外しすぎだと思いますが、議席減は驚きました。枝野代表の責任問題になり、進退が注目されています。党内では、「目も当てられない惨敗で、執行部の責任は免れない。現体制で参院選は戦えない」という意見が多い中、「内部でごたごたしている場合ではない。今党の顔(看板)を変えるべきではない」という声もある。今日明日に結論が出ると思われます。
枝野代表は政権交代のために選挙戦略を「選択」しました。野党共闘で小選挙区候補者を一本化。共産党とも積極的に組みました。与党対野党の構図を明確にし、徹底的に自民党批判を展開しました。ハイリスクハイリターンの戦略です。勝負をかけたわけですね。候補者一本化で、勝てる選挙戦を展開できるメリットがある一方、「色」が強まるリスクもある。「反自民非共産」の連合(労組)は、立民支持を表明しませんでした。一般人もネガティブ集団の印象を持ったかもしれません。こう書くと枝野さんの戦略は失敗だと思われますが、そうではありません。事実マスコミの予想は議席大幅増だった。感染症拡大による不安定な社会状況で、どうころぶかわからなかった。選挙日に向かって感染者数が激減していった心理的影響(今後は安定志向)もあったでしょう。枝野さんは、「覚悟の意思決定」だったと思います。一旦潔く身を引くんじゃないかな?(勝手な予想)。
思い切った戦略を選択して、失敗するとその都度責任をとるのでは、無難な方向に進みがちになります。勝ち負けは武門の常。武将が敗北のたびに切腹していては戦になりません。企業活動も同じです。安定経営は大事だし、ギャンブルで会社を潰しては元も子もありません。しかし、時には思い切った意思決定も必要。でも上場企業は、株主利益を期待されるので、短期(決算期毎)の成績が求められる。大きな失敗は責任問題になります。その点非上場企業は長期政権で中長期視点の経営が可能です。その分、独りよがりの独裁になるリスクもある。いずれにせよ、意思決定には覚悟が必要です。「ケジメをつけないと示しがつかない」という世界もありますね。