価格の決定

本日から10月ですが、食品などの値上げが始まります。世界的な原材料の高騰や、中国の景気回復(需要増)が要因です。緊急事態宣言解除による経済復興に水を差すおそれがありそう。マーガリン、洋菓子、コーヒーなどの値上げが顕著です。国内の天候不順の影響で野菜も値上がりします。長雨の影響でハクサイ、レタスが、北海道の記録的な猛暑と少雨の影響で、ジャガイモとタマネギが高値で推移しそうです。世界的にも国内でも値上げ要因ばかりですね。企業は、値上げで売上が減らないよう、材料を安いものに変更したり、パッケージデザインをシンプルにしたり、価格維持に工夫していますが、実質値上げと言えます。

今回は価格設定について考えます。10月からの値上げはわかりやすく、原材料の高騰が原因です。あたりまえですが、価格は経営戦略そのものに直結する非常に重要な要素です。マーケティングの4P(price)。新商品や新サービスを市場導入する場合、価格の決定方法は基本4つです。①原価をベースにほしい利益を乗せる。②消費者が払ってもよいと感じる価格にする。③競合企業が類似商品を市場で販売している価格を元に決める。④新しい消費・サービスが本来持っている価値で決める。①②は現実的で、③④は戦略的です。全く新しいアイデアを商品化する場合は④で、理想的ですが、なかなかレアでしょう。価格決定は以上の4つから選択するのではなく、4つすべてを考慮して、総合的に決定します。従って4つの視点を必ず持つようにしましょう。その上で、ウエイトをつけます。②重視や③重視など。定石としては、まずポリシーとして④の仮説をもち、ビジネスとしての①を設計する。②の事前消費者調査を実施し、③の市場価格/動向を収集する。これを俯瞰的に見て、決定します。どれかが抜けていると、上司に「これで競合と戦えるの?」などと詰められます。あたりまえですが、あらためて意識したい要素です。

価格は、経営の生命線と言える大事な意思決定なので、いい加減にはできません。しかし最後は「えいやあ」で決める思い切りも必要。お客様の選択基準に直結する大切なマーケティングです。少なくとも、お客様からの「なんでこの値段なの?」という問いには、自信を持って答えられるようにしたいですね。

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