これからのキャリア意識
感染症不安の中で、2回目の大学入試を迎えます。雑誌記事に現在の動向が書かれていたので取り上げます。まず、22年度は初めて志願者数が入学定員数を下回ると予想されている。「大学全入」です。これは志願者数が減っていることで起きている現象。今後も毎年2万人ずつ減少する見込みです。若者の人口自体が減っていますからね。もちろん誰でも合格できるわけではありませんが、今までなら手が届かないと思っていた大学に挑戦できる状況になっているようです。
学部別では、教育・医薬看護・情報・理系全般が比較的堅調(減少幅が小さい)。一方で、国際・外国語系の減少が目立っています。「理高文低」と「手に職」がキーワードのようです。これは感染症前からの流れですが、今後ますます「資格が取れる系統に人気が集まる」と予想されています。特に教育系は人気です。保育士や幼稚園教諭の資格が取れる学部新設が続いていて、現場は人手不足なので就職先も多い。また8月に教員免許更新制度の廃止が発表され、教育学部人気を後押ししています。最近の公務員志望者は、法学部ではなく教育学部を選ぶ人も多いとか。教員免許も取れる手堅さがあるから。医薬看護系、情報系も「手に職」という点で人気が高いです。人手不足でニーズも大きいですからね。
大学全入を迎えて、キャリア意識が重視される時代になってきました。今までは、自分と大学の偏差値を比べて、入れる学校を受ける、というスタンスの人も多かったんじゃないかと思います。これからは、その先のキャリアを意識して、進路を真剣に決める。これまでもそうですが、ますますリアルになっていきそうです。つまり、「自分が将来何者になるのか」を高校生の段階で決めるということ。実際には文理選択の2年生までには意識を高める。「将来の夢」を持っていたい。となると高校受験の段階で、大きく自分の未来像をイメージしたい。キャリア教育の早期化が必要です。子どもの頃の「働く人との交流」、「社会科見学」などは馬鹿にできないですね。