チームビルディング
日本バスケットボール協会が、男子日本代表の新しいヘッドコーチに、東京オリンピックで女子の日本代表を銀メダルに導いたトム・ホーバス氏が就任すると発表しました。やっぱりそうきたか。私が個人的に東京五輪で最もすごいと思ったのは、日本女子バスケの銀メダルです。ヘッドコーチだったホーバス氏のリーダーシップ、マネジメント技術には感銘を受けました。私自身バスケ経験はありませんが、「こんな指導者の下でプレーできたら、成長するだろうな」と感じました。とにかく評判がいいんです。
ホーバス氏はアメリカ出身の54歳。NBAや日本の実業団チームなどでプレーしました。現役を引退後は、日本国内でJX-ENEOSの指揮をとり、2016年のリオデジャネイロオリンピックでは、女子日本代表のコーチを務めました。2017年にヘッドコーチに就任し、スリーポイントシュートを軸にチーム全員が連動して攻めるスタイルを確立。通訳を付けずに日本語でコミュニケーションを取る熱意ある指導で、今回見事に銀メダルに導きました。
ホーバス氏は、自己肯定感をチームに浸透させるのが上手いと思います。「やればできる」。オリンピック決勝でアメリカと戦うことを本気で目標にして、就任時にコメントしています。そして、それを実現した。チームメンバーからの信頼も絶大で、周囲の評価も抜群です。まさに理想のリーダーであり、マネジャー。
チームの要件は3つ。目的があること。相乗効果があること。コミュニケーションがあること。この中では相乗効果が難しい。ここからは私見ですが、チームビルディングで相乗効果を出すために必要なことは、①魅力的な目的の提示、②心理的に安全な場づくり、③役割・貢献の見える化、だと思っています。これはスポーツに限らず仕事も同じ。逆に上手くいかないときは、このうちのどれかが欠けている。ホーバス氏は、全部上手だったんでしょうね。これから男子の指揮でも活躍を大いに期待します。