アイデアを進化させる

新聞にポケモン社長の石原恒和氏のインタビュー記事が載っていました。ポケモン株式会社ってあるんですね。初めて知りました。1998年設立、売上高1200億円。営業利益率は23%と高いです。「ポケモン」1コンテンツしか扱わない。その分、ソフト、カード、映像、物販など、ポケモンに関連する事業であれば何でも関わっている。直営のポケモンセンターは全国に15店舗あります。任天堂の100%子会社かと思っていたら、32%保有の持ち分法適用会社です。1998年に、任天堂(現著作権者)、ゲームフリーク、クリーチャーズの3社共同出資により設立されました。社長の石原さんは、元々広告代理店出身で、1995年に自らクリーチャーズを設立、その後株式会社ポケモン発足時から社長を担っています。

(株)ポケモンは、ポケモンで得た利益をすべてポケモンのために再投資する。多くのゲームポートフォリオの中での利益再分配はできません。だからポケモンを常に進化させないといけない。一方的な変化ではなく、ユーザーニーズにとことん応える。しかし、一歩も二歩も先を行って提案しています。そもそも、「ゲーム端末同士を通信ケーブルでつなぎ、ポケモンを交換できる仕組み」がそうでした。画期的アイデアです。子ども同士のコミュニケーションのあり方自体にも、大きな影響を及ぼしました。その後、世界進出、キャラクター拡大(150→900)、ポケモンGO、など進化を続けます。特にポケGOは、スマホのGPS情報を基に、リアルな場所でポケモンを捕まえる遊び方が新鮮でした。ゲームの要素を「集めること」絞り込んで、子どもからお年寄りまで、ユーザー層を大きく広げました。感染症不安の中での巣ごもり需要にも応えています。一方、よみうりランド内の森で、キャラを探すアトラクションも始めました。リアルな自然とゲームの融合です。

(株)ポケモンには「アイデアを進化させる」多くのヒントがあると感じました。単なるキャラクター商売ではない、アイデアの進化です。世の中では、商品を売るために、多くのリニューアルが実施されています。小売店の棚に置くための、ユーザー不在のリニューアルを目にすることも多い。でも石原社長のように、「ルールをこう変えた方が面白いんじゃないか」ということを、いつもワクワクしながらピュアに考えられたら、本当に素敵だと思います。仕事が楽しいでしょうね。理想ではありますが、それがユーザーのためにもなる、そう感じます。

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