ニーズをとらえる
小学6年生と中学3年生の計約194万人が5月に受けた全国学力テストの結果が公表されました。科目は国語と算数(数学)。思考力・表現力を重視した新学習指導要領も考慮された問題です。感染症の影響で2年ぶりの実施でしたが、正答率は例年並みで、文科省は「全体として昨春の休校の影響は見られなかった」としています。一方で、複数の文章や資料から必要な情報を見つけ出す力や、日常の事柄を表やグラフを用いて数学的に解釈する力に課題があるとのことです。
この問題の中で象徴的だったのは「面ファスナー」の問題です。面ファスナー(マジックテープ?)について説明した文章と、イラストを示した図を読み取り、仕組みを50~80字で説明させる問題。この正答率が35%にとどまり、思考力・表現力に課題を残しました。実際に問題を見てみましたが、小学生とはいっても6年生であれば、書けてもよい問題だと思います。日常のやりとりでもありそうなものです。なんで?と思って解説を読んだら、設問が「二つ書け」と言っているのに、一つしか書いていない割合が5割以上とのこと。驚きました。思考力や表現力というよりも、「相手が何を求めているか」を正しくつかんでいない、そんな感じです。
これは考えてみると、私たちの日常の仕事でも同じです。「はいできました」→「え、そんなこと頼んでないよ。〇〇をお願いしたんだ」。こんなやりとりは多いですね。相手のニーズをしっかり把握することが仕事の第一歩です。これができずに、多くの労力が無駄になったり、ミスが発生したり、品質が落ちたりしている。相手との関係もぎくしゃくしますね。とてももったいない。お願いを伝える方にも、問題があるかもしれません。コミュニケーションも大事。相手のニーズを正しくとらえることは、本当に大切だと思います。
ちなみに全国学力テストは、都道府県別の平均正答率も公表されています。それによると、小学6年(国語・算数)、中学3年(国語・数学)すべてで、石川県が全国1位です。理由は・・・わかりません。教育熱心なのかなあ。。。