健全な競争心
藤井聡太二冠(王位・棋聖:19歳)が王位を初防衛しました。相手は豊島将之二冠(竜王・叡王:31歳)で、4勝1敗で連覇です。藤井王位は、この夏棋聖戦でも挑戦者の渡辺明名人(37歳)を退け防衛しています。この豊島さんと渡辺さんはともに現役最強レベルと言われている。藤井さんの強さは半端ではありません。もともと豊島竜王を苦手としていましたが、これで対戦成績を7勝9敗まで戻しました。現在実施中の叡王戦も相手は豊島叡王。そして藤井さんは、竜王戦でも挑戦者決定勝負に挑んでおり、勝てば七番勝負でこれも相手は豊島竜王です。まさに藤井さんと豊島さんは頂点でのライバルですね。
藤井さんは、「脱・ゆとり教育」が始まった世代です。それまでの「ゆとり教育」では学力低下が問題視さていました(関連性は諸説あり)。2008年に学習指導要領が改訂され、授業時間が増えた。勉強もスポーツも「しっかり学ぶ」姿勢が強化されました。一方で、格差が広がったという指摘もあります。藤井さん以外の有名人だと、卓球の張本選手、タレントの芦田愛菜さん(中学受験で慶應と女子学院に合格)などがいます。
ポイントは、①熱中する環境がある、②健全な負けず嫌い、③大人とも接している、の3つのようです。このうち、②は重要です。藤井さんも超負けず嫌いで、子供のころ負けると号泣していたらしい。「脱・ゆとり世代」で成功している人は、その親も子供が小さいころから競争環境をつくっています。一時「順番をつけない。開示しない」などのカルチャーがありました。徒競走で順位をつけないなど。今は変わってきた。当然ですね。社会に出たら競争だし、日常の取引や業務も「優先順位付け」そのものが仕事です。ただし、他者をリスペクトする気持ちを同時に高めなければならない。マウントの取り合いは健全ではありません。「いかに健全な競争心を育むか」、これは親も本人も、未来に向けた重要なテーマですね。