最新と最善

みずほ銀行が相次ぐシステム障害に苦しんでいます。原因は2019年に稼働した新しい中核システム「みのり」のようです。トラブル時のバックアップ機能が正常に作動しませんでした。

「みのり」には4500億円を投入しました。預金、融資、決済などのサービスごとにシステムを切り分け、障害の連鎖を防ぐ仕組みが「売り」でした。大手行では初。請負企業が、三菱•三井が1社(とりまとめ)なのに対して、みずほは4社(分担して連携)です。これが裏目に出た。簡単に言うと、「連携できずに曖昧な仕組みになった」。システム全体でのバックアップ機能のテストも上手くいかなかったようです。

金融庁は「理念先行で、詰めが甘かった可能性がある」としています。この辺りが教訓でしょう。最新が必ずしも最善とは限りません。もちろん最新への挑戦は必要ですが、ギャンブルではない。投資費用や、顧客への影響度が大きすぎる。理念が先行すると、グループシンクや同調圧力が発生しやすいです。ベストプラクティスを十分参考にして、最善策を練り込む必要があります。一般的なべき論ですが、誰かが勇気を持って発言しなければならない。実際のみずほがどうだったかはわかりませんが、教訓としてそんなことを感じました。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です