好奇心と冒険心を刺激する
今回は日本人女性宇宙飛行士の山崎直子さんを取り上げたいと思います。山崎さんは千葉県松戸市出身で、千葉の東葛地域では英雄です。東京大学大学院工学系研究科修了後、宇宙開発事業団(現在のJAXA)に入社。2001年に国際宇宙ステーション(ISS)の宇宙飛行士に認定され、2010年4月にスペースシャトル・ディスカバリー号で宇宙へ行きました。ISS組立補給ミッションに従事。この時山崎さんは39歳です。
少女時代に松戸市民会館に併設のプラネタリウムに足繁く通い、影響を受けたらしい。そして中学時代にスペースシャトルのチャレンジャー号爆発事故のニュースを見て、宇宙飛行士を志すようになった。すごいです。私はあのニュースを見て、「やばい、絶対搭乗したくない」と思ったものです。発想が逆ですね。「宇宙開発」という仕事をリアルに実感し、亡くなった方々の遺志をいつか継ぎたいと思ったそうです。で宇宙飛行士を目指して航空学科に進学。大学院の時には思い切って1年休学してアメリカ留学しました。そしてついに宇宙開発事業団に入社。宇宙飛行士選抜試験にパス(何度か落ちてる)。その後、スペースシャトル・コロンビア号の事故が発生しましたが、それでも前を向く。
厳しい訓練もクリアしますが、こう語っています。「厳しいのはどの仕事でも一緒。宇宙のことを学べるのが純粋に楽しかった。そんな機会を与えてくれて本当にありがたく、幸せな思いでした」。そして宇宙へ。自分を振り返って、「私には何も特殊な才能はありませんが、それでも宇宙飛行士に選ばれたのは、自分の興味のあることにはとことん力を注いでいたからだと思います」と言っています。
私はよく、「好奇心と冒険心が大切だ。特に若い方は」とお話することがあります。山崎さんは、正にこの「好奇心と冒険心」をずっと大事にしてきた方だと思います。年齢は関係ないです。ベテランが若手に、偉そうにアドバイスしてる場合じゃない。まず先に好奇心です。興味がないのに冒険できない。そして小さくても一歩踏み出す。「まずプラネタリウムに行く」でもいいんです。目の前のことに関心を持って、感想を持つ、質問を口にする。そんなところからまず始めたい。これからもテレワークが広がると、目の前の景色がパソコンばかりになる。好奇心を刺激する体験を自分で意識してつくりましょう。