ピンチをチャンスにする

以前、星野リゾートの星野佳路代表の講演を聴講したことがあり、大変刺激を受けました。星野さんは、大学時代にアイスホッケー部の主将として活躍していました。私も大学時代は他大学のアイスホッケー部に所属して同じリーグにおり、当時星野さんは名プレーヤーとして大変有名でした。少し前に新聞でインタビューも受けていて、そこでは星野リゾートの代表として、感染症不安の中、今後の経営について語っていました。

星野リゾートでは、社内の社長ブログで自分の会社の倒産確率を公表しているそうです。なんかすごいですね。「危機の中では、経営内容を正直に伝えることが何より大切だ」と言っています。狙いは会社施策への共感と、各人がなすべきことの思考・行動。星野さんは、この危機を克服できれば、社員にとって大きな自信、貴重な経験になると信じています。

そして、お客様に対する具体的施策もしっかり展開しつつある。一つは「マイクロツーリズム」。国内での近隣地域観光です(例:長野の人が群馬の温泉に旅行)。もう一つは「平日の宿泊利用」。テレワーク拡大をチャンスと捉えています。社員の意識改革、新規ニーズの開拓、まさにピンチをチャンスに転じようとしている。さすが星野さん。みなさんご存知のNHK「プロフェッショナル仕事の流儀」の記念すべき第1回が星野佳路さんでした(2006年)。家業の軽井沢の温泉旅館の立て直しに悪戦苦闘。その中で学んだのが「任せれば人は楽しみ、動き出す」ということ。今でもこの考えが根っこにあるようで、新聞記事にも「現場の裁量を大きくして、それぞれの工夫・アイデアで施設の価値を高める」と書かれています。とにかく誰もが自由に意見を言い合える環境づくりにこだわる。組織はフラット。

私も以前ブログで「心理的安全性」がこれからの組織マネジメントの鍵だと書きました。臆せずものが言える風土・雰囲気・カルチャー。リモートワークが増えて発言する機会が減り、度胸もつかない。存在感のあるなしの格差が顕著になってきます。だからこそ自由に発言できる環境をつくり、心理的安全性を高めることが益々重要になる。だだし、カルチャーをつくるには時間がかかる。「在宅でもバンバン自己発信する」という意識を持って、主体的に思考・行動することが大切ですね。さて星野さん。感染症不安の後の展開もしっかり構想しているようです。インターネットでの集客強化、海外事業拡大などなど。本当にエネルギッシュでクレバーな人だなあ。

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