「分析」について考える

私は以前、市場調査部門に在籍していたことがあります。そのとき、「分析」について多くのことを学びました。そこで今回は「分析」の一般論について考えてみたいと思います。まず、分析とは何か? 辞書にはこう書いてあります。「ある事柄の内容・性質などを明らかにするため、細かな要素に分けていくこと」。なるほど、だから「分」の文字があるのか。外部研修で講師の先生は、「分析とは書くことだ」と言っていました。従って、分析とは「事象を細かな要素に分けて、それを言語化し、その性質を解明すること」と、ここでは定義します。だからPPTに表やグラフを貼り付けるだけでは分析ではないんです。そこから読み取れることを解析し、言語化する。コメント(リード文)が非常に大切です。

考えてみたら、SWOT分析、PEST分析、3C分析なども、全て枠組みの中身を記載(言語化)することで分析になるわけです。グラフなどはその裏付けにすぎません。これを大前提に、数値的分析に進みます。私の考えですが、数値的分析は、①規模、②変化、③比率、この3つを他者、過去の自分、世の中全体と比較すること。そう「比較」なんです。ただ比率を計算しても、それが大きいのか小さいのかわからない。だから比較して大か小かを書くのです。

まず①規模。実数の大小を評価する。例:売上の規模→年商5000億円の会社と年商5億円の会社では市場でのプレゼンスが違います。規模(実数)の解析は意外に抜けてしまうので注意しましょう。次に②変化。これは主に前期比、成長率などです。例:売上前年比→過去の自分(対象)と比較する。そして③比率。規模にかかわらず比率によって、効率性などを評価する。例:売上高利益率→競合他社や業界平均値と比較する。以上が数値的分析の基本です。

さらに統計分析について少し触れます。よくサンプルが10しかないのに比率を評価している人がいますが、これでは判断を誤ります。統計で最低限押さえておきたいのは、①母集団設計、②統計的有意性、③相関分析の3つ。ツールはエクセルで十分。難しい多変量解析は不要です。詳細は割愛します。最後にグラフの注意点を少しだけ。円グラフは角度を比較しづらいので、なるべく使わない→帯グラフか棒グラフ。目盛はゼロから使う→その上で省略する場合は波線記号を入れる。

以上、分析についていろいろ述べましたが、要は「分ける、比べる、書く」が重要です。基本を押さえて、日常業務の質を少しでも上げていきましょう。

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