プロジェクトマネジメント
人材派遣会社のパソナが、東京の本社機能の一部を淡路島に移します。幹部、経営企画、人事など約1200人を23年末までに移す計画です。東京一極集中での通勤混雑や災害リスクなどの課題に対応したとのこと。また創業者の南部代表は兵庫県出身で、感染拡大を受けてすでに淡路島に移って働いているらしい。これが良いのか、悪いのかわかりませんが、一つ言えるのは、「従来の働き方は加速度的に変化していく」ということ。
旧来の日本企業3種の神器は、①終身雇用、②年功序列、③企業別労働組合、と言われていました。しかし時代の流れの中で、②はなくなり、③の組織率も大きく低下、①についても経済界は危機感を表明しています。これ以外も④新卒一括採用、⑤メンバーシップ型雇用、⑥全国転勤などが従来型大企業の常識でしたが、今回の感染症対策で一気に変容しそうです。せざるをえません。④は労働市場流動化による離職率上昇と経験者採用活発化、⑤ジョブ型雇用の適用による専門性と成果重視、⑥リモートワーク浸透による職場環境の機動化。
今回のパソナの件は、⑥に該当します。淡路島がいいかどうかわかりませんが、とにかく東京にいる必然性はない。大阪、名古屋、福岡だっている必要はないかも。これからは営業もリモート商談が主になれば、全国の事業所に転勤する必要性は下がる気がしますが、どうでしょう。自社工場などの製造拠点は別ですが、世の中的には今後ますます委託製造(OEM)が増加するでしょう。
さてそうなると、ビジネスプロセスはどう進化するか? 私はこれからプロジェクト型の仕事が増えていくと想像します。だって全国どこにいたって仕事できるなら、適任者を集めてすぐにプロジェクトが結成できる。海外だってZoomで可能(時差はありますが)。これは会社員でもフリーランスでも同様。課題に応じて、専門性、経験値、能力を考慮して、あっという間に適材を集め、ベストパフォーマンスを追求する。実務推進力と多様性を同時に担保できる。
お呼びがかからないとツライですね。当然個々人の力量が大事ですが、ここでさらに重要になるのが「プロジェクトマネジメント力」です。PJTリーダー(マネジャー)としてチームをまとめ牽引する力。私は以前、企業で商品開発を担当していましたが、若いメンバーが見事にプロジェクトマネジメントを実行していました。関係部署を束ね、進行管理し、アイデアを提案し、発売まで導く。この力は今後どの組織でも必要になると思います。鍛えていきたいですね。