論理的思考を習慣化しよう
私は、「正しいPDCA」とは「課題設定→計画→実行→評価→修正」だと思っています。よくCを「確認」と認識している人がいますが、「実施有無=やったか、やらなかったか」を確認するのは、Doです。ここでの「評価」とは、効果測定と分析。やってみて効果はあったのか? 不十分であれば、その原因は何か? これをとことん考える。やりっぱなしにしない、ということです。そして打ち手をすぐに修正して実行する。DCAの高速回転が大切。
このC、効果測定と分析で必ず必要になるのが、論理的思考力(ここでは問題解決)です。問題を切り分けていますか? ということで、そのエッセンスを考えてみましょう。論理的思考とは「明快な因果関係をベースに、矛盾のない筋道を示す考え方」です。「原因と結果がわかりづらいなあ。筋が通ってないなあ」ではダメ。問題解決の9ステップを示します。【What】①あるべき姿を描く→②現状を整理する→③ギャップを特定する。【Where・Why】④ギャップを分解する→⑤原因を深ぼる→⑥真因を特定する。【How】⑦選択肢を広げる→⑧選択肢を絞り込む→⑨シナリオを作成する。
さらに重要なポイント。④ではユニバース(対象範囲)を明確にする。四則演算、プロセスを検討する。「横に、横に」MECEを意識する。⑤は「縦に、縦に」因果を意識する(無理にMECEにこだわらない)。⑧では評価軸のウエイトを考慮する。以上がエッセンスです。大切なのは、この思考プロセス・流れを何度も試し、訓練し、思考のクセにすることです。このプロセス(例えばロジックツリーなど)をPPT資料にすることはまずありません。あくまで途中経過なので、清書したり見栄えにこだわって時間をかける必要は一切ありません。頭の中でざっと考える、ノートにペンで書きなぐる、ホワイトボードにぐちゃぐちゃ書いてスマホで撮影しておく。そんなレベルで十分です。
ここでの学びはあくまで方法論なので、自転車で言えば、「自転車の乗り方教本」を読んだだけ。それだけでは、乗れるようにはなりません。自分で実際に自転車をこいで、転んで、コツをつかむしかない。論理的思考も全く同じです。日常の仕事の中で、どんどんギャップを特定して、切って、切って、切りまくる。その経験が力になります。「正しいPDCA」の質を上げるために、論理的思考を習慣化したいですね。