金融リテラシー
当たり前ですが、ビジネス基礎リテラシーが仕事の土台です。リテラシーとは読み書きのことで、ビジネスの基礎リテラシーは、ビジネスマナー、報連相、PDCA、パソコンスキルなどを指します。仕事をする上での社会人的常識のようなもの。ところが環境変化の激しい昨今、この基礎リテラシーが徐々に進化しているようです。高度化と言ってもいい。特に次の3つが「ビジネス三種の神器」と言われています。①語学力(主に英語コミュニケーション力)、②金融リテラシー、③ITリテラシー。やばい、どれも苦手分野だ。そう、誰にとっても逃げたいような領域です。
一昔前は、これらは「専門性」だったんですけど、今や一般ビジネスパーソンの基礎リテラシーだそうです。そこで今回はこの中の金融リテラシーについて取り上げます。金融リテラシーって何? 簡単に言うと、「お金について社会人が知っておくべき常識」です。金融庁は、「金融知識及び金融経済事情についての理解と、適切な金融商品の利用選択」と言っています(家計管理等は除く)。なんだか難しそうですね。
金融について、比較的わかりやすい本を読んだのでご紹介します。「臆病者のための億万長者入門」(橘玲著:文春新書)。本音でいろいろ書かれているので、読み物としても面白い。2014年出版ですが、今でも十分通用します。エッセンスだけお伝えします。「臆病者が投資するなら、インデックスファンド(含外貨)を、ドルコスト平均法で分散投資する」。「保障が不要になったら、生命保険も医療保険もすぐに解約する」。「素人が不動産の掘り出し物を見つけるのは不可能」。「金利が上昇(国債が下落)すると、短期的には通貨高になるが中長期的には必ず通貨安になる。そしてインフレになり、最悪の場合は財政破綻する」。前3つは個人の金融投資に関する話で、4つ目は金融経済の話です。
ちなみに投資のプロが運用したファンド(株式)と、チンパンジーにダーツを投げてつくらせたファンドを比較実験すると、平均的にはサルが勝つそうです。結局「ギャンプルはするな」という結論になってしまい、面白くないのですが、それがリテラシーなのでしょう。また、ジャンボ宝くじの期待値(還元率)は50%で、パチンコは97%、ラスベガスのルーレットは95%、競馬は75%。金融リテラシーのある人は、宝くじを買わないそうです。夢を買ってるんだけどね。金融について少し勉強したほうがいいな、とあらためて思いました。