確率と可能性

以前下北沢で興味深い演劇を観ました。その冒頭は「隕石が自宅に衝突し、呆然とする」シーン。隕石ねえ。現実の世界では、2013年にロシアで隕石が落下して大騒ぎになりました。もう7年も前か。しかし実際に隕石が人間を直撃したという話は聞きません(未確認情報はあるようですが)。

隕石が人に衝突する確率ってどのくらいなのかな? ということで、少し調べてみました。学者たちが様々な数字を試算していますが、だいたいを総合するとこうなります。人間が隕石の衝突で死亡する確率は、およそ100万分の1。ちなみに落雷は10万分の1。うーん、不運だな。一方で幸運の方はどうでしょう。宝くじ(ジャンボ1等5億円)が当たる確率は、1000万分の1。隕石衝突と同じ100万分の1は、3等の100万円です。え?100万円当たる人けっこういるじゃん。そうなんです。一説では隕石が人に当たる確率は100億分の1とも言われています。結局よくわかりませんが、とにかくすごく小さな確率です。

ここまで極端ではなくても、強運の持ち主という方がいます。なぜか勝負どころで神風が吹く。ピンチの場面でチャンスを掴む。ある研究によると、成功者(政治家、経営者、アスリート、芸術家等)の極めて多くが、「人生で最も重要な要素は?」という問いに対して、「運の強さ」と答えています。環境、才能、人脈、努力などを差し置いて「運」ですって。

ということで、最近面白い本を読んだので、ご紹介します。田坂広志氏の「運気を磨く」。この題名だと、スピリチュアルや宗教がかった本を想像しますが、科学的なビジネス本です。ただし量子物理学などが出てくるので、少しとっつきづらいかもしれません。よく言う「ポジティブ思考が幸運を引き寄せる」というのとはちょっと違います。大人の潜在意識は誰でもネガティブでいっぱい。そのネガを減らそうという考え方。無理にポジティブになろうとはしない。「現代物理学では過去・現在・未来という区分はない」という科学的視点から論を展開し、実践まで提案するところは興味深いです。

「運」をただの「確率」と考えてもいいし、潜在意識とつながる「現実化の可能性」と考えてもいい。でも、心の中のネガティブを少しでも減らせれば素直にうれしいし、何かいいことありそうです。運気は「上げる」というよりも「磨く」という表現がしっくりきます。磨いた結果、上がるんですね。

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