行動原理について考える
「お・も・て・な・し」。この言葉、東京オリンピック招致の時に有名になりましたね。その後こんな状況になるなんて夢にも思いませんでしたが・・・。さて日本人は「礼」を重んじ、お客様を心からもてなす、と言われます。また正義感も強い。税金はきっちり払う。まあ源泉徴収&年末調整の国ですから。米国は勤め人も確定申告です。日本政府は納税を企業にまかせちゃったのです。だからとりっぱぐれがない。日本人は所得税減税しても実感がないから、経済効果は小さい。それに比べ、個人が確定申告する米国は減税効果大です。
一方、日本人は寄付の金額が極端に少ないと言われています。海外の人は寄付をたくさんするんですね(もちろん余裕がある人)。なぜかはよくわかりません。結果、日本人は「外からのお客様」には親切だけど、「弱者」には冷たいという印象があるようです。つまり「おもてなし」は得意だけど、「手をさしのべる優しさ」には乏しい。日本人はルール、マナー、コンプライアンスを重視する。でも弱者や困っている人を積極的に助ける行動は少ない。ほんとですかね? ここで人間の行動原理について少し考えてみたいと思います。
行動原理を辞書で調べるとこうです。「行動の根源的な動機となる本能・欲求・願望・信条・価値観など」。この動機をもう少し深掘ります。儒教で五常というものがあります。「仁・義・礼・智・信」。これ自体は大事にすべき価値観に近く、直接的な動機とは少し異なります。私見ですが、私は動機になるのは「利・理・正・礼・徳・快」だと感じています。利益、道理、正義、礼節、道徳、愉快です。〇〇だからやる。これが行動原理だと思います。この中で日本人は比較的、正義・礼節に重きを置くのではないでしょうか。納税やおもてなし。寄付は道徳という感じですが、日本人が道徳に欠けるとは思いません。もしかしたら心の中にある道徳を態度で表す積極性に欠けるのかもしれません。それともやはり無関心なのかな?
さていきなりですが、戦国武将の行動原理を考えてみます。これも全くの私見ですが。利→豊臣秀吉。理→武田信玄。正→石田三成。礼→加藤清正。徳→上杉謙信。快→織田信長。なんで? それは割愛しますが、皆さんもいろいろな意見をお持ちだと思います。で、昨年の大河ドラマの主役明智光秀は? 不思議なことに全部、だと私は感じます。戦国という厳しい時代を生き抜く(成り上がる)ための、複雑さがわかります。歴史から人間の行動原理をつらつら考えてみるのも面白いですね。