4つの市場

私はよくメガネチェーンJINSでメガネを買います。先日も春からの新生活に向けて新しいメガネをつくりました。JINSはショッピングモールなどによく入っています。価格が安い、仕上がりが速い、場所が便利、種類が豊富、選びやすい・・・など、従来のメガネ屋さんとはかなり違います。「メガネをコーディネートして楽しむ」といった感じでしょうか。なんとなくユニクロに似てますね。ブルーライトカットも有名です。私はメガネを7つ持っていますが、そのうち4つをJINSで買いました。昔はメガネを買うのってすごくエネルギーが必要でしたが、JINSだと手軽だし、衝動買いもしちゃうんですよね。

JINS(株式会社ジンズ)は、自社内で全商品を企画・デザインし、外部の工場に直接大量に発注しています。卸業者を通さず自社店舗で販売しており(アパレルのSPAモデルのよう)、これによって廉価販売を実現しているのです。さらにPCディスプレイが発するブルーライトを軽減させる技術や軽量フレームなど、ファッション性に加え機能性でもユニークな価値を提供しています。値段は安いのですが、営業利益率は約10%で競合企業と比較してかなり高いです。

さてここで市場について考えてみましょう。メガネ市場は大きく落ち込んだ後、JINSなどの貢献で2011年以降は拡大傾向にあるようです。新たなニーズを掘り起こしたんですね。一般に市場は4つに分けられます。それは、①獲得市場、②対象市場、③有効市場、④潜在市場。①は現在メガネをかけている人(今獲得すべき)、②は現在目が悪い人(獲得対象となりえる)、③はメガネをファッションの一部と捉えている人(ターゲットとして有効)、④は紫外線カットや視力低下を予防したい人(潜在的にターゲットになる可能性がある)。JINSは①②について既存市場で競争優位となり、③④で新規市場を開拓したんです。すごいですね。従来企業に負ける要素がありません。しかし一方でZoff、オンデーズなどの競合も登場しています。

「4つの市場」からの学びは、市場全体をいきなりセグメンテーション(男女・年齢・地域等)する前に、まずこの4視点で考えてみること。BtoC企業では重要な考え方です。やってみるとわかりますが、③が難しい。しかしその分、金脈の可能性も秘めています。JINSもこれで市場拡大しています。ぜひ意識したい視点ですね。

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