美術から感性を磨く
本日、朝から国立近代美術館に「あやしい絵展」を観に来ました。いかにもあやしいですね。会社を退任したので平日に鑑賞できます。見終わって、今近くのカフェでグログを書いています。私は商品開発や広告の仕事が長かったので、コツコツと美術の勉強を続けています。昨年は「美術検定」という試験も受けました。広告代理店のクリエイターとデザインの話をする時に、アートに関する最低限の知識が必要でした。今でも絵画や彫刻が大好きです。
ここ20年ほど世の中のビジネスはサイエンス(論理)が重視され、各段に進化しています。しかし近年はVUCA(ブーカ)の時代と言われ、あいまいで答えのない事象にあふれている。競争も激しく、論理的に解決できる課題に対して、各社が同じ結論・行動に至り、過当競争状態です。またICTの進歩により、パターン化された思考はAIで代替できるようにもなりました。もう体力勝負ですね。
今後、競争優位性を確保するためには、抽象的思考力や共感力が必須になってきました。そんな中で論理や理性に加えて、直観力や感性が注目されています。野性的なひらめきや天才的なアイデアではなく、「美しいものを美しいと感じる力」です。これはAIでは代替できません。この感性が共感を広げるヒントになるかもしれません。そして美的感覚は天性のものではなく、後天的に鍛えることが可能です。要は「名画をたくさん観よう」ということ。自分が描く必要はありません。文学や音楽なども同じですね。一人だけぶっ飛んだ感性が必要なわけではなく、多くの方々と同様な審美眼をもち、その素晴らしさを分かち合えれば十分。いやむしろそのほうが共感力は高まるかも。
さて、よい絵を鑑賞するには美術館に行くのが一番です。ここで私の都内お薦め美術館をご紹介します。国立近代美術館、東京都美術館、国立新美術館。定番ですね。近美(竹橋)は所蔵品を常設し、そこに通好みの企画展を合わせます。所蔵品は近代の有名な日本画が多い。都美(上野)はとても由緒があり、昔から話題の企画展を多く開催しています。一方新美(乃木坂)は新しく、比較的ユニーク・個性的な企画展を実施します。個人的には、東京都美術館の企画が優れているといつも感心しています。
さてこの三つの美術館、通常は10時ころから17~18時ころまでなんですが、金曜日は20時までやってるんです(入館は19:30まで。詳細は必ずお調べください)。だから金曜に会社が終わってから立ち寄っても十分見れる。たまに美術館に行ってみてはいかがでしょう。