失敗に学ぶ

よく「ビジネスで成功する秘訣は、できる限り早く、できる限り多くの失敗をゲットすることだ」と言われます。ここで言う失敗とは、ミスではなく、「挑戦したけれど、うまくいかなかった」ことですね。例えばラーメン屋さんがお客さんの服にラーメンをこぼしたら「ミス」。夏メニューにかき氷を加えたけど、全く売れず早々に取りやめたら「失敗」。

失敗に関連する本では「失敗の本質」という定番があります。これは「日本軍の組織論的研究」という副題がついており、日本軍の戦術・組織についての失敗を研究・解説したものです。日本人の空気を読んだり配慮したりする能力が失敗につながっているといった文脈だったと思います。今でいう「忖度」ですね。私も随分前に読みましたが、文章が合わずほとんど記憶に残っていません。軍事物は好きなのですが、とにかく難解(学問的?)で読みづらかったです(個人の感想)。

さて冒頭のように「失敗はよいもの」だという理屈がありますが、それについては少し疑問があります。私は「同じような失敗は繰り返してはいけない」と思います。なぜなら「負け癖」がつくから。どうせ今回もうまくいかない、また目標未達だ、などの思考に慣れてしまう。思考停止かもしれません。同じ失敗を繰り返し、不撓不屈と言っているだけかも。やっぱりPDCAが大切ですね。失敗しても次は成功確率を少しでもあげる工夫と修正が重要。失敗からの学びは「挑戦」と「修正」です。「この失敗は挑戦した結果か?」、「この失敗を受けて何をどう修正したか?」を自問自答したい。これに答えられなければほぼ学びはありません。次も失敗する可能性大です。

最後に挑戦について少し。「挑戦はすばらしい」というテーマの本は無尽蔵にあるので、今回は「フットワークよく柔軟に」くらいのノリで1冊ご紹介。齋藤孝さんの「可動域を広げよ」です。若い人というよりは私と同じ50代の方にお薦めです。内容は割愛しますが、ゆるめです。「気合入れて挑戦せよ、失敗は学びだ」というトーンからすると逆かもしれません。でもそのくらいの柔軟性が必要な気もします。つまりいつまでも興味をもちなさい、好奇心を忘れずに、ということ。思考を柔軟にして、挑戦(関与)する体質をつくる。そこでの失敗をPDCAサイクルに乗せれば、成功や成長につながると私は思います。仕事の可動域も広げ、トライし、失敗をPDCAで回し、成長していきましょう!

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